2011 Fiscal Year Annual Research Report
p27の新規分解実行因子Pirh2の発現亢進と癌進展が相関するメカニズムの解析
Project/Area Number |
21590062
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
北川 恭子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20299605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Keywords | タンパク分解 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
Pirh2はp27やp53を分解ターゲットとして持ち、多種の臓器の癌の発症進展に関わるE3リガーゼであることが明らかとなってきた。我々は昨年度までに、Pirh2を含めた複数のE3リガーゼのスクリーニングの結果として、血液癌発症に関与することが知られているc-Myb転写因子のE3としてFbw7が機能していることと、c-Myb制御メカニズムの詳細を解明してきた。 Fbw7の既知の分解基質の多くが血液細胞の分化・増殖に関わる因子であることから、今年度は関連する因子の中には未知のFbw7の基質が含まれている可能性があると考えて検討したところ、T細胞の分化に重要な役割を果たす転写因子GATA-3がFbw7の新規基質であることを見出した。Fbw7の他の多くの基質と同様にGATA-3の認識には、コンセンサスアミノ酸配列のリン酸化がシグナルとなっていることが証明され、E3特異的なユビキチン化修飾の亢進が確認された。一方Fbw7によるユビキチン化修飾はGATA-3の安定性には関わっておらず、分解誘導以外の役割を担うと考えられる。ユビキチン化修飾はプロテアソーム依存的タンパク分解に関わるとともに、ユビキチンの結合様式に応じて基質に多彩な機能を持つ。最近、基質に対して結合型の異なるポリユビキチン修飾を使い分けることで基質の活性を多様に制御する能力を持つE3が同定された。Fbw7も多様なユビキチン鎖の形成を介して、様々な機能を基質ごとに使い分けている可能性があり、今後さらにこの仮説を検証していく。
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