2009 Fiscal Year Annual Research Report
活性化リンパ球における糖鎖発現情報の認識に関わる分子とその機能
Project/Area Number |
21590063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹松 弘 Kyoto University, 生命科学研究科, 准教授 (80324680)
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Keywords | シアル酸 / Bリンパ球 / ノックアウトマウス / 糖鎖 / レクチン / 糖鎖認識 / カルシウム / 遺伝子相互作用 |
Research Abstract |
申請研究は、B細胞活性化時において発現が制御されているシアル酸分子種のN-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)の機能とその作用機序を明らかにする事を目的とする。現在までにNeu5Gc含有糖鎖はシグレックファミリーレクチンCD22/Siglec-2により高親和性に認識されることは明らかとなっているが、Neu5Gcの機能が全てこのレクチンの作用で説明できるわけではない。そこで、CD22欠損マウス、CD22の高親和性リガンドを構成するシアル酸分子種Neu5Gc欠損マウスおよび、両者のダブルノックアウトマウスを作製し、CD22およびNeu5Gc含有糖鎖の機能がB細胞でどのような機能的重複を示すかを明らかすることを考えた。申請者らが作成したNeu5Gc欠損マウスとNitschkeらの樹立したCD22欠損マウスをC57/Black6背景において交配し、それぞれを欠損した二重欠損マウスを作成した。このマウス由来のB細胞を用いて、B細胞活性における非常に初期段階で起こる反応である、カルシウムイオンの流入を測定した。その結果、CD22、Neu5Gcそれぞれの欠損の結果から想定はされない(相加的ではない)非常に強いカルシウムの流入が観察された。このことは、遺伝学的にみて、CD22、Neu5Gcの機能がカルシウム流入に関して遺伝子相互作用をしていることを示すもので、現在この遺伝子相互作用の本体の解明を目指し手いる。このことで、、活性化リンパ球におけるNeu5Gc機能の全貌を明らかにし、なぜこのシアル酸分子種Neu5Gcが胚中心反応などの活性化で特異的な制御を受ける必要があるのかの意義を明らかにしていく。
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