2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおけるストレスとサイトカインシグナルのクロストーク
Project/Area Number |
21590067
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
林 秀敏 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80198853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 友香 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (40454326)
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Keywords | TRB3 / TRB1 / 小胞体ストレス / TGFβ / PPARγ / IL-2 / perilipin / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
我々は小胞ストレスや栄養飢餓、低酸素、あるいは感染.炎症などで誘導されるTRB3という分子を見出し、その生理的機能の解明を行っている。また、DNA傷害などで誘導される、TRB3と同じファミリーのTRB1についても解析を進めている。そこで、今回、これらストレス誘導性分子とサイトカインとしてTGFβを中心にそのシグナルや発現のクロストークについて解析を進めた。 まず、白色脂肪細胞株(3T3-L1、HW11細胞など)の分化・成熟化においてストレス誘導性のTRB3は、以前の検討で、負に制御することを明らかにしている。今回、抗炎症性サイトカインの一つであるTGFβによる影響を調べたところ、脂肪細胞の成熟化を強く抑制すること、さらに、成熟化した脂肪細胞の脂肪滴がTGFβにより劇的に減少することを見出した。この脂肪滴の減少は脂肪滴形成に重要な働きをしているperilipinの発現が強く低下していることによること、またその原因としてその上流の転写因子であるPPARγの活性ではなく、発現が抑制されていることによっておこっていることが明らかとなった。TRB3もPPARγの活性を低下することから、TRFβを介したストレスシグナルとTG耶のシグナルは脂肪滴の減少に協調的に働く可能性が考えられた。 一方、肝癌細胞株(HepG2)において、TRB3はSREBP-2遺伝子発現を抑制することにより、コレステロールホメオスタシスの制御に関与していることを明らかにした。さらに、HepG2においてTGFβシグナルがTRB3によって抑制され、これは、TGFβシグナル分子の一つSmad3のDNAへの結合低下に基づくことを明らかにした。 さらに、TRB3は免疫増強性サイトカインのIL-2の発現を正に、TRB1は逆に負に制御していることを見出し、TRB1/TRB3の発現のバランスの免疫応答への影響の可能性が示された。
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Research Products
(9 results)