2009 Fiscal Year Annual Research Report
異性化タンパク質修復酵素PIMTの活性調節機構の解析
Project/Area Number |
21590069
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古地 壯光 Kitasato University, 薬学部, 講師 (00302167)
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Keywords | アスパラギン酸 / アスパラギン / PIMT / 異性化 / ラセミ化 / タンパク質 / 修復 / 発現調節 |
Research Abstract |
タンパク質中のL-アスパラギン残基(L-Asn)及びL-アスパラギン酸残基(L-Asn)は、タンパク質の老化の過程で、生理的条件下で自発的に異性化またはラセミ化し、D-アスパラギン酸残基(D-Asp)やイソアスパラギン酸残基(D,L-isoAsp)へと変換されることが知られている。一方、生体内にはD-AspやL-isoAspをL-Aspへと戻す反応を促進する酵素であるProtein L-isoaspartyl (D-aspartyl) methyltransferase(PIMT)が存在する。しかし、その生理学的機能は未だ不明な点が多い。本研究では、PIMTの生理学的機能を明らかにすることを目的とし、そのプロモーター領域の解析を行った。まず、HEK293細胞由来染色体DNAよりPIMT遺伝子上流プロモーター領域をPCR法により増幅した後、本領域を組み込んだレポーター遺伝子を構築し、HEK293細胞に導入してルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、通常の培養条件下で活性が認められたことから、本領域は定常条件下において一定のプロモーター活性を有するものと考えられた。次に、本プロモーター領域を部分欠損させた各種レポーター遺伝子を構築し、それらの活性を測定したところ、-210~-170付近にプロモーター活性に必須な領域が存在することが明らかとなった。そこで、この領域をビオチンラベルしたプローブを作製し、HEK293核抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行った。その結果、バンドシフトが認められ、また、このバンドシフトは特異的な配列を持つ競合DNAにより阻害されるが、非特異的配列からなる競合DNAでは阻害されなかったことから、HEK293細胞の核抽出液中には本領域に特異的に結合する何らかのタンパク質が存在することが明らかとなった。現在、本領域に結合活性を有するタンパク質の同定を目的とし、LC-MS/MSを用いて解析中である。
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