2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンE2の産生系と分解系のクロストーク機構の解析
Project/Area Number |
21590074
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中谷 良人 Showa University, 薬学部, 講師 (80266163)
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Keywords | プロスタグランジンE2 / cPGES / 23 / 15-PGDH / トランスジェニックマウス / PGT |
Research Abstract |
本年度は、代表的な脂質性生理活性物質であるプロスタグランジンE2(PGE2)の生体内での産生と分解を総合的に理解するために、細胞内への取り込みに関わるPGトランスポーター(PGT)の細胞内機能を検討した。まず、数種類の培養細胞株におけるPGTのmRNA発現を調べた結果、大部分の細胞株で有意な発現量が確認されたが、ラットマスト細胞株RBL-2H3には検出されなかった。次にPGT以外のトランスポーターの発現を検討した結果、ラット線維芽細胞株3Y1細胞ではOATP-BとMRP4の発現が検出されたが、OATP-D, OAT-K, OAT1, 0AT2, 0AT3, 0CT1, 0CT2の発現は検出されなかった。RBL-2H3細胞では、OATP-Dは検出されたが、OATP-B, OAT-K, OAT1, 0AT2, 0AT3, 0CT1, 0CT2, MRP4の発現は見られなかった。そこで、PGT発現が見られた3Y1とPGTを発現していないRBL-2H3細胞における[3H]PGE2の取り込みを検討した結果、3Y1細胞では有意な取り込みが検出されたが、RBL細胞ではほとんど放射活性の取り込みが見られなかった。次にsiRNAを処理してPGTのノックダウンを行った3Y1細胞はPGE2取り込みの低下が観察された。以上の解析から、3Y1細胞における細胞外からのPGE2の取り込みにPGTが寄与することが明らかになった。また、RBL-2H3細胞ではPGE2の細胞外への輸送に寄与することが報告されているMRP4の発現が見られないにもかかわらず、PGE2を産生することから、MRP4以外のトランスポーターがPGE2の細胞外輸送に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)