2010 Fiscal Year Annual Research Report
好中球のアポトーシスとマクロファージによる貪食応答を介した炎症の終息機構
Project/Area Number |
21590077
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 喜三郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (10291155)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / 好中球 / マクロファージ / 一酸化窒素 / ケモカイン / iNOS |
Research Abstract |
(1) ホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を取り込んだ細胞の同定:あらかじめ蛍光色素で標識したホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を腹腔に投与して、経時的に腹腔浸出液を回収し、蛍光顕微鏡とフローサイトメーターで調べたところ取り込んだ細胞はおもに好中球だった。 (2) ホルマリン固定黄色ブドウ状球菌腹腔投与に伴う炎症反応でのマクロファージの応答(ex vivo):このモデルで実際にマクロファージがMIP-2やKCを産生しているか、またそれはNOによって制御されているかを調べるため、野生型とiNOS遺伝子欠損マウスにホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を投与し、経時的に腹腔浸出細胞あるいはマクロファージを採取し、培養して、MIP-2、KC、NOレベルを測定した。結果、マクロファージはNOを産生していたが、それはMIP-2やKC産生を抑制していなかった。 (3) アポトーシス好中球を取り込んだマクロファージによるMIP-2やKC産生の生体での意義:野生型とiNOS遺伝子欠損マウスとで浸潤好中球数に違いが見られたので、それがアポトーシス好中球を取り込んだマクロファージによるMIP-2やKC産生によるのか検討するため、適切な時期に抗MIP-2抗体や抗KC抗体を投与した。比較のためホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を投与時にこれらの抗体を投与し、ピーク時の好中球浸潤に対する効果を調べた。菌の投与時に抗体を投与すると好中球浸潤は阻害されたが、違いが見られた時間の少し前だと無効だった。つまり、浸潤好中球数の違いはその時期に産生されるケモカインに起因するのではないと考えられた。
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