2011 Fiscal Year Annual Research Report
好中球のアポトーシスとマクロファージによる貪食応答を介した炎症の終息機構
Project/Area Number |
21590077
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 喜三郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (10291155)
|
Keywords | 一酸化窒素 / 黄色ブドウ状球菌 / 好中球 / アポトーシス / 炎症 |
Research Abstract |
NOドナーによる好中球アポトーシスの誘導(in vitroとin vivo):ホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を投与後12時間後にNOドナーを投与したiNOS遺伝子欠損マウスで、炎症に伴う細胞浸潤、特に好中球数と好中球のアポトーシスについて、フローサイトメーターによって解析した。結果、24時間後の好中球数も後期アポトーシス好中球も著しく抑制されて野生型マウスと同じレベルとなった。したがって野生型マウスにおいて産生されるNOが好中球数の減少と後期アポトーシスの抑制に関与していることが推定された。そこでin vitroでNOドナーを加えたあと好中球のアポトーシスがどのように変化するか経時的に調べた。結果、好中球にホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を加えるとすみやかに後期アポトーシスが誘導され、このときNOドナーを加えるとこの誘導が著しく抑制された。一方菌を加えないでただ培養したときには、NOドナーは好中球のアポトーシスに大きな影響を与えなかった。したがってNOがこのモデルでの好中球の後期アポトーシスの誘導を抑制していることが明らかになった。ただし好中球にホルマリン固定黄色ブドウ状球菌を加えるとすみやかに後期アポトーシスが誘導される機構については現在のところ不明である。なお好中球数の減少については、ケモカインMIP-2による好中球の内皮細胞通過応答をNOドナーが抑制したことから、おそらくin vivoでも同様の機構が働いているものと推定される。
|
Research Products
(1 results)