2009 Fiscal Year Annual Research Report
FGF受容体の変異による骨・軟骨形成不全疾患発症メカニズムの分子レベルでの解析
Project/Area Number |
21590088
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
浅田 眞弘 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (30344120)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 副部門長 (80356518)
鈴木 理 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (70192622)
|
Keywords | 繊維芽細胞増殖因子 / Apert症候群 / 先天性奇形 / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
繊維芽細胞増殖因子(FGF)は受容体(FGFR)と結合することで様々な生理活性を発揮する。この際、ヘパラン硫酸をはじめとするグリコサミノグリカン(GAG)の共存が必須であると考えられている。近年、先天性奇形であるApert症候群に見られるFGFR2の点突然変異によって、FGFRがヘパラン硫酸非依存的にリガンドと結合する例が報告され、FGFRの突然変異による受容体活性の亢進をヘパラン硫酸への依存性の消失で説明できる可能性が考えられた。本研究では、他の部位の変異や類似の疾患におけるFGFRの変異が三者(リガンド、受容体、GAG)複合体の形成や細胞内でのシグナル伝達に及ぼす影響を解析し、FGFRの変異がもたらす疾患の発症メカニズムを分子レベルで解明することで、これらの先天性奇形疾患の治療法開発の足がかりを築くことを目指した。 初年度である平成21年度には、変異導入型の受容体遺伝子を構築し、これらを組換え体可溶性蛋白質として発現する実験を開始した。これまでに報告されているFGFR1,FGFR2,FGFR3の点突然変異を網羅し、これらを用いて、in vitroのリガンド結合試験に供し、その結合特異性(選択性)とGAG依存性を解析した。その結果、これまでに報告されている結果が、本研究手法においても再現できることを確認した。今後は、各変異受容体を発現する培養細胞を樹立し、リガンド特異的、GAG依存的なシグナルの惹起を評価する予定である。
|