2012 Fiscal Year Annual Research Report
FGF受容体の変異による骨・軟骨形成不全疾患発症メカニズムの分子レベルでの解析
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21590088
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
浅田 眞弘 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (30344120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (80356518)
鈴木 理 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (70192622)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 繊維芽細胞増殖因子 / Apert症候群 / 先天性奇形 / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
繊維芽細胞増殖因子(FGF)は受容体(FGFR)と結合することで様々な生理活性を発揮する。この際、ヘパラン硫酸をはじめとするグリコサミノグリカン(GAG)の共存が必須であると考えられている。近年、先天性奇形であるApert症候群に見られるFGFR2の点突然変異によって、FGFRがヘパラン硫酸非依存的にリガンドと結合する例が報告され、FGFRの突然変異による受容体活性の亢進をヘパラン硫酸への依存性の消失で説明できる可能性が考えられた。本研究では、他の類似の疾患におけるFGFRの変異が三者(リガンド、受容体、GAG)複合体の形成や細胞内でのシグナル伝達に及ぼす影響を解析し、FGFRの変異がもたらす疾患の発症メカニズムを分子レベルで解明することを目的とした。 これまでに、複数の変異型の受容体遺伝子を構築し、これらを組換え体可溶性蛋白質として調製した。これらを用いて、in vitroのリガンド結合試験を行った結果、野生型FGFR2はヘパリン存在下でのみFGF1と結合するのに対し、Apert症候群の原因変異を導入したFGFR2はヘパリン非存在下でもFGF1と結合した。 昨年度は、Apert症候群の原因変異を導入したFGFR2を発現する細胞株を構築し、その細胞増殖に与えるFGFとHPの効果を検証した。その結果、野生型FGFR2c導入細胞の増殖にはFGFとHPの両者が必要であったが、変異型FGFR2c (S252W、P253R)導入細胞は、FGF1のみで細胞増殖が惹起されることを観察した。 今年度は、さらにこの現象を検証する目的で、細胞内でのシグナル伝達を解析した。その結果、変異型FGFR2c (S252W、P253R)導入細胞は、FGF1のみでFGFR下流のシグナルが活性化していることが判明した。現在、これらの結果を論文報告すべく、準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)