2010 Fiscal Year Annual Research Report
痙攣発作に基づく精神障害発症動物におけるニコチン受容体の関与
Project/Area Number |
21590097
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
荒木 博陽 愛媛大学, 医学部附属病院, 教授 (50294450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末丸 克矢 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50363239)
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Keywords | てんかん / 精神機能 / キンドリング / 認知機能 / 運動障害 / ニコチン受容体 / ドパミン受容体 / セロトニン受容体 |
Research Abstract |
てんかん患者では認知機能障害や注意欠陥多動性障害など発症率が高く、てんかんに併発する精神障害をいかに治療するかが、患者のQOL向上に重要である。本研究では、ラットならびにマウスに電気痙攣またはペンチレンテトラゾールによる薬物誘発痙攣を惹起させて反復痙攣動物モデルを作製し、その精神機能と運動機能を行動薬理学的手法により評価した。まず、ラットに電気痙攣を連日負荷して強直間代性痙攣を惹起させると、長期間持続する自発運動亢進(open-field試験)と学習障害(Y-maze試験)が発生した。これらの障害は、ドパミン(D2)受容体遮断作用とセロトニン(5-HT2)受容体遮断作用を有するrisperidoneで改善された(Epilepsy Res.2010)。次に、マウスに単回投与では全般発作を示さない低用量のペンチレンテトラゾール(40 mg/kg)を2日毎に反復投与して慢性のてんかん原生を獲得した「キンドリングモデル」を作製した。このキンドリングモデルでは、自発運動亢進や学習障害(Y-maze試験)はみられなかったが、協調運動障害(rota-rod試験)、不安関連行動の変動(高架式十字迷路試験)および社会性行動障害(three chamber social試験)が認められた。これらの障害は、アセチルコリンα4β2型ニコチン受容体作動薬のABT-418により改善された。以上の結果より、痙攣動物モデルの相違によって運動障害や精神機能障害の種類は異なるものの、ドパミンD2、5-HT2、ならびにα4β2型ニコチン受容体が関与することが明らかになった。今後は、これらの動物モデルを用いて免疫組織学的手法により精神機能障害の発症機序を解明する予定である。
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Research Products
(2 results)