2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規カルシウム活性化カリウムチャネル機能不全体の発現調節と関連疾患での役割
Project/Area Number |
21590098
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70275147)
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Keywords | Ca^<2+>活性化K^+チャネル / 転写抑制因子REST / アレルギー性疾患 / 炎症性腸疾患 / K_<Ca>3.1阻害薬 / 前立腺肥大症 / 増殖性疾患 / スクリーニング |
Research Abstract |
平成23年度の研究実施計画は、以下の2項目を実施した。「中コンダクタンスCa^<2+>活性化K^+チャネルK_<Ca>3.1阻害薬によるK_<Ca>3.1転写調節機構の解明」では、接触過敏症、炎症性腸症候群モデルマウスのリンパ節腫脹時の活性化Tリンパ球K_<Ca>3.1発現増大に寄与する転写調節因子を探索し、複数の転写調節因子の内、転写抑制因子REST発現が寄与している可能性を示した。また、K_<Ca>3.1阻害薬の皮下投与により、活性化Tリンパ球におけるK_<Ca>3.1発現増大は抑制され、この際にもREST発現はK_<Ca>3.1発現と逆相関した。この実験結果は、K_<Ca>3.1阻害薬に加えて、REST発現を増大させる薬剤がアレルギー性疾患や炎症性疾患に有効である可能性を示した。加えて、間質性前立腺肥大症モデルとヒト前立腺肥大症針生検サンプルの前立腺間質領域においても、K_<Ca>3.1発現亢進とREST発現減少が観察された。また、間質性前立腺肥大症モデルでは、K_<Ca>3.1阻害薬により間質細胞の増殖が有意に抑制された。この結果は、間質性前立腺肥大症にもK_<Ca>3.1阻害薬が有効である可能性を示した。「細胞増殖能を指標としたK_<Ca>3.1阻害薬の高効率スクリーニング系の開発」では、遺伝子改変電位依存性Na^+(Na_V1.5)チャネルと電位依存性K~+チャネルを共発現する細胞株を作製し、細胞増殖能を指標とした電位依存性K~+チャネル阻害薬のスクリーニング系の構築には成功した。電位依存性K~+チャネルの代わりにK_<Ca>3.1を遺伝子導入することにより、簡便なK_<Ca>3.1阻害薬スクリーニング系が完成すると思われる。研究代表者は、K_<Ca>3.1阻害薬のアレルギー性疾患、炎症性疾患、前立腺疾患(肥大症、癌)における有用性を報告しており、本研究で得られた知見は、増殖性疾患の治療薬開発に重要な情報を提供すると思われる。
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Research Products
(34 results)