2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞のエンドセリン受容体を標的とした脳機能改善薬の開発
Project/Area Number |
21590108
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
小山 豊 Otani Womens University, 薬学部, 教授 (00215435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一裕 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (80454586)
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Keywords | アストログリア / エンドセリン / 脳浮腫 / アクアポリン |
Research Abstract |
本研究では、脳病態時におけるエンドセリン(ET)の役割について、脳浮腫の産生に関与する因子のとの関連について研究し、平成21年度では以下の知見が得られた。 ・培養アストログリアを用い、ETによるangiopoietin-1&2およびVEGFなどの血管透過性亢進因子のmRNA産生変化を定量的PCRで測定し、ET-1およびETB受容体刺激薬であるAla-ET-1が、VEGFのmRNA発現を増加させることを明らかにした。また、ET処置は、angiopoietin-1のmRNAを減少させたが、angiopoietin-2発現には影響しなかった。 ・培養アストログリアでのVEGFおよびangiopoietin-1タンパクの遊離量をELISAで測定し、ET処置が、VEGF遊離の増加と、angiopoietin-1遊離の減少を起こすことを明らかにした。 ・ETB受容体アゴニストのラット脳室内への持続注入は、大脳皮質のVEGFmRNAと蛋白量を増加させた。一方、aigiopoietin-1のそれには影響しなかった。 ・ETB受容体アゴニスト投与ラットの免疫組織化学的解析は、脳内のVEGF産生細胞はアストログリアであることを明らかにした。 ・培養アストログリアを用い、ETによる水チャネルタンパクであるアクアポリン-4(AQP4)発現に対する作用を検討し、ET-1およびETB受容体刺激薬であるAla-ET-1が、AQP4の発現を減少させることを明らかにした。 ・ETB受容体アゴニストのラット脳室内への持続注入は、大脳皮質のAQP4mRNAと蛋白量を減少させた。免疫組織化学的解析により脳内のAQP4産生細胞はアストロサイトであることを明らかにした。以上の結果を論文発表した。
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