2010 Fiscal Year Annual Research Report
リゾホスファチジン酸受容体3を介した神経突起分岐形成の分子機構解明
Project/Area Number |
21590109
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
福嶋 伸之 近畿大学, 理工学部, 講師 (10254161)
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / 神経ネットワーク / Rnd2 / 神経軸索 / 神経分岐 |
Research Abstract |
リゾホスファチジン酸(LPA)は細胞の増殖や形態変化などに関与する細胞外シグナル伝達脂質である。LPAをリガンドとする受容体は現在までに6種類(LPA1~6)が同定されている。LPAは神経系において、突起の退縮を促進すること、この作用はLPA3を除く受容体を介して生じることが知られている。LPA3遺伝子は脳において発現していることが報告されているが、神経系における作用は明らかではない。本研究では前年度に引き続きLPA3を介した神経系細胞の形態変化とそれに関わる細胞内情報伝達を検討した。LPA3アゴニストである(2S)-OMPTでマウス海馬初代培養神経細胞を刺激すると軸索分岐形成が促進された。この作用は単量体Gタンパク質Rnd2やそのエフェクターであるrapostlinの阻害分子を発現させた時にはみられなかった。またLPA3に対するshRNAを導入した細胞においても2(S)-OMPTによる分岐形成作用は認められなかった。本研究よりLPA3を介して神経突起の分岐形成が促進されることが明らかになった。LPA3は発達期の海馬において神経ネットワークが活発な時期に発現していることから、脳神経系におけるネットワーク構築に関与していることが示唆される。
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Research Products
(4 results)