2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患治療を目指した神経新生シグナル制御の解明に関する薬理学的研究
Project/Area Number |
21590111
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 教授 (90169219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 展行 摂南大学, 薬学部, 准教授 (60324092)
米山 雅紀 摂南大学, 薬学部, 講師 (00411710)
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Keywords | 神経細胞死 / 神経新生 / トリメチルスズ / 神経系幹細胞 / ミクログリア / NF-kappaB / TNF-alfa / ミノサイクリン |
Research Abstract |
【目的】本研究では、神経細胞変性後のニューロン新生過程におけるミクログリアの役割を解明することを目的として、海馬歯状回顆粒細胞脱落後に出現する活性化ミクログリア関連因子およびそのシグナル経路について解析した。 【方法】海馬歯状回顆粒細胞脱落モデル動物として、海馬歯状回選択的神経毒性のトリメチルスズ(TMT)を腹腔内投与した雄性マウスを用いた。ミクログリア活性化抑制薬のミノサイクリンをTMT投与12時間後から12時間毎に5回投与し、海馬歯状回での活性化ミクログリア関連因子およびそのシグナル分子の遺伝子あるいは蛋白質の発現変化を解析した。 【結果と考察】海馬歯状回において、TNF-alphaの発現をRT-PCRにより解析したところ、未処置群に比べTMT処置3日目で最も著しい発現増強が認められた。さらに、これらの発現増強はミノサイクリン処置により有意に抑制された。一方、Iba-1陽性細胞を免疫組織化学法により解析したところ、海馬歯状回では未処置群に比べTMT処置群で著明な陽性細胞数の増加が認められ、その増加もミノサイクリン処置により明らかな抑制が観察された。nestinとNF-kappaB p65の蛍光二重染色では、TMT処置3日目の歯状回顆粒細胞層下層でnestin陽性細胞の大部分にNF-kappa B p65の核内移行が認められた。また、ミノサイクリンはNF-kappa B p65の核内移行を有意に抑制することが判明した。以上の結果から、海馬歯状回顆粒細胞脱落後に活性化されたミクログリアはニューロン新生を促進し、そのメカニズムの少なくとも一部にNF-kappa Bシグナルが関与する可能性が示唆される。
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Research Products
(49 results)