2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク患者の複合感染予防のためのパラインフルエンザウイルス治療薬の開発研究
Project/Area Number |
21590117
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
池田 潔 Hiroshima International University, 薬学部, 教授 (40168125)
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Keywords | シアル酸 / パラインフルエンザ / シアリダーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
病原性ウイルスの一つであるヒトパラインフルエンザウイルス(hPIV)はかぜ症候群の原因ウイルスであり、乳幼児の初期感染において気管支炎や肺炎などの症状を引き起こすことが分かっている。hPIV-1シアリダーゼ阻害活性発現には、2,3-不飽和シアル酸誘導体の7,8,9位のグリセロール骨格が保存領域であり、シアル酸の4,5位置換基が阻害活性に大きな影響を与えることが知られている。これまでに我々が見出した高活性化合物、4-O-ethyl-およびpropagyl-2,3-不飽和シアル酸誘導体(1,2)をリード化合物として、5位のアセチル基をトリフルオロアセトアミド基に置き換えた誘導体3,4を合成した。まずシアル酸から既知の方法により1,2の前駆体を合成した。次に1はN-アセチル基を塩基性で加水分解した後、トリフルオロ酢酸メチルで処理して4-O-ethyl-5-N-trifluoroacetyl-2,3-dexhydrosialic acid 3とした。さらに2は無水Boc-DMAPによりN-ジアミド化した後、塩基により選択的にN-Bocシアル酸誘導体とした。引き続いてTFAで処理して先程と同様にトリフルオロ酢酸メチルで処理して目的とした4-O-propagyl-5-N-trifluoro-acetyl2,3-deoxy-sialic acid 4を得た。3,4のhPIV-1シアリダーゼ阻害活性を検討した。その結果、3と4はそれぞれIC_<50>=11,29μMと母骨格1,2と同程度の阻害活性を示した。今回の結果から、シアル酸の5位窒素の置換基はhPIV-1シアリダーゼ阻害活性に有意な影響を与えることが明らかとなった。
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