2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗ガン剤の創製を目指したCRK-C3G相互作用阻害剤のイン・シリコ分子設計
Project/Area Number |
21590122
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
広野 修一 Kitasato University, 薬学部, 教授 (30146328)
|
Keywords | 医薬分子設計 / イン・シリコ創薬 / 抗ガン剤開発 / 蛋白-蛋白相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、新規な抗ガン剤開発の標的となる癌遺伝子CRK nSH3ドメインとグアニンヌクレオシド交換反応促進因子C3Gの相互作用について、水溶液中でのMDシミュレーションを用いた詳細な解析を行った。 1 先ず、CRK nSH3ドメインとC3G由来の10残基ペプチドの複合体X線結晶構造(PDB : 1CKA、C3GペプチドのC末端Arg残基については座標が与えられていなかったため、モデリングにより構築した)を水の箱に入れ、水溶液中でのMDシミュレーションを全部で10ns行なった。次に、初期構造からの座標に関するRMSDをプロットすることで、MDシミュレーションが2nsから10nsの間で平衡に達していることを確認した。そこで、2-10ns間から40ps毎に全部で200スナップショットを抽出し、CRKnSH3-C3Gペプチド複合体の溶液構造アンサンブルとした。 2 C3GペプチドのC末端Arg残基をAla残基に変異させたペプチドは、CRK nSH3との結合親和性が低下することが報告されている。そこで、1で得られた溶液構造アンサンブルを用いて、C3GペプチドのC末端Arg残基について詳細な解析を行った。その結果、C3G-1ペプチドのC末端Arg残基は、溶液中でCRK nSH3ドメインのD163やP165と動的な相互作用を形成していることが明らかとなった。 今後は、本年度得られた溶液構造アンサンブルから代表溶液構造を選択し、その代表鍵穴構造を用いてスクリーニング計算を行う予定である。
|
Research Products
(5 results)