2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホニル基およびホスフィニル基の構造的特徴を利用する創薬研究
Project/Area Number |
21590126
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
横松 力 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 教授 (70158369)
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Keywords | ヌクレオチドアナログ / ジフルオロホスホン酸 / PNP阻害剤 / fragment-based drug design / スフィンゴミエリナーゼ / X線構造解析 |
Research Abstract |
リン酸は生体内に普遍的に存在し、核酸の加リン酸分解やシグナルタンパク質のリン酸化など多くの生体機能に関与している。本研究課題では、ヌクレオシド加リン酸分解酵素を分子標的とした創薬研究をfragment-based drug design(FBDD)に基づいて展開させた。すなわち、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤の創製研究では、PNPと親和性を示す9-デアザグアニン誘導体とリン酸ミミック(CF_2PO_3H_2)をスペーサで連結したPNP二基質複合型アナログを設計・合成した。その結果、臨床で治療効果を発揮し得る高い阻害活性を有する阻害剤(DFPP-DG)の創製に成功した。また、連携研究者との共同研究として、Calf-PNP/DFPP-DGの共結晶のX線構造解析に成功した。この構造情報を利用して、スペーサ部に窒素原子を導入したPNP二基質複合体アナログの設計および合成を行った。このアナログは、リン酸ミミックを組み入れたPNP遷移状態アナログと見なすことも出来、生体内の低いリン酸濃度においても高い阻害活性及び高い選択性を示すPNP阻害剤となると期待される。さらに,DFPP-DGのアルキルスペーサがPNPとの相互作用に関与していないことから、これらを改善する目的で、スペーサーにベンゼン環を組み込み、これをスキャフォールドとする多官能性スペーサの開発にも着手した。スフィンゴミエリナーゼ(SMase)阻害剤の創製研究においては、ライブラリー構築のための新規合成法を開発した。
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