2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホニル基およびホスフィニル基の構造的特徴を利用する創薬研究
Project/Area Number |
21590126
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
横松 力 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70158369)
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Keywords | ヌクレオチドアナログ / ジフルオロメチレンボスホン酸 / PNP阻害剤 / fragment-based drug design / X線構造解析 |
Research Abstract |
リン酸は生体囚に普遍的に存在し、核酸の加リン酸分解やシグナルタンパク質のリン酸化など多くの生体機能に関与している。本研究課題では、ヌクレオシド加リン酸分解酵素を分子標的とした創薬研究をfragment-based drug design(FBDD)に基づいて展開させた。すなわち、プリンヌクレオシドボスホリラーゼ(PNP)阻害剤の創製研究では、PNPと親和性を示す9-デアザグアニン誘導体(DG)とリン酸ミミック(CF_2PO_3H_2)をスペーサで連結したPNP二基質複合型アナログを設計・合成した。スペーサ長の距離を種々変化させた類縁体の構造活性相関研究から、臨床で治療効果を発揮し得る高い阻害活性を有するPNP阻害剤(DFPP-DG)の創製に成功した。DFPP-DGは、各種アッセイの結果から、予想通り二基質複合類縁型PNP阻害剤として機能していることが明らかとなった。このことは、Calf-PNP/DFPP-DGの共結晶のX線構造解析研究によっても支持された。一方、PNP阻害剤は成人T-細胞白血病(ATL)の治療薬として利用可能と考えられることから、DFPP-DG関連化合物のヒト白血病細胞やリンパ球細胞の増殖抑制率について検討した。その結果、予想通り当該細胞の増殖を抑制する効果が認められた。また、DFPP-DGはslow-binding inhibitorとして機能し、平衡時の阻害定数はKeqi=85pMを示すことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)