2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いた慢性閉塞性肺疾患発症機序の解明と新治療法の開発
Project/Area Number |
21590133
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田口 修 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90197244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (20437114)
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Keywords | 肺気腫 / 樹状細胞 / マトリックスメタロプロテーゼ / サイトカイン / 活性かプロテインC / 煙草 / 気管支炎 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
平成23年度では、気道上皮細胞、マクロファージなどの細胞株を用いて、プロテアーゼ、炎症性サイトカインに対する煙草抽出物の影響を検討した。さらに、COPDの病態形成に重要な役割を果たしているマトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP-2)のトランスジェニックマウスを作成した。 1)炎症性サイトカインの発現に及ぼす煙草抽出物と活性化プロテインCの影響:人由来の肺胞上皮細胞(A549)・単球(THP-1)の細胞株も実検に用いた。各々の細胞は煙草抽出物と活性化プロテインCで培養し、TNF-α、IL-1β、MCP-1、IL-6などの炎症性サイトカインとMMP-2の産生をELISA法とPCR法で検討した。その結果、活性化プロテインCは煙草抽出物の刺激によるA549細胞、THP-1細胞からの炎症性サイトカイン、MMP2の産生を抑制した。 2)樹状細胞の分化・活性化に対する煙草抽出物と活性化プロテインCの影響:野生型(C57BL/6)マウス由来樹状細胞は骨髄から分離する。細胞は活性化プロテインC、リポポリサッカライド(LPS)又は煙草抽出物で培養し、MHCII、CD86などの発現を検討した。その結果、活性化プロテインCはLPS刺激と煙草抽出物による樹状細胞の分化・活性化を抑制した。 3)MMP-2トランスジェニックマウの作成:マイクロインジェクション法によりMMP-2発現コンストラクトを導入したC57BL/6Jマウスの受精卵から、トランスジェニックマウスのファウンダー候補となる産子を得て、サザン解析によるジェノタイピングを行い、トランスジェニック(MMP2TG)マウス、ファウンダー個体を同定した。MMP2TG)マウスのCT検査を行ったところ、肺気腫様の軽度肺組織破壊が認められた。 以上の結果より、肺傷害の病態形成にはMMP-2が関与しており、活性化プロテインCの抑制効果は気道上皮細胞・樹状細胞を介することが明らかになった。
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Research Products
(8 results)