2009 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー欠損スプライス変異型プリオン蛋白質発現解析のプリオン病診断への応用
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21590146
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
菊池 裕 National Institute of Health Sciences, 衛生微生物部第1室, 室長 (10234197)
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Keywords | プリオン / 選択的スプライシング / GPIアンカー |
Research Abstract |
プリオン病の診断法の確立に資する研究として、その発症とスプライス変異型プリオン蛋白質(PrPSV)の関連を解明することを目的とし、マウスニューロブラストーマ細胞株Neuro-2a及びマウスアストロサイト細胞株KT-5でmRNAの発現を調べた。マウスプリオン遺伝子のオープンリーディングフレームでGPIアンカーシグナルペプチドを欠失したPrPSVを検出するプライマーを設計して検索を行ったが、既にmRNAの発現と蛋白質の産生を確認しているヒトPrPSVのエクソン・エクソン・ジャンクションに相当するマウス配列近傍では選択的スプライシングを検出できなかった。しかし、プライマー設計の方策を確認するために行ったヒツジ脳由来total RNAの検索ではヒトのエクソン・エクソン・ジャンクションに相当するヒツジ配列の近傍で選択的スプライシングを検出し、その解析からGPIアンカーシグナルペプチドを欠失したPrPSV mRNAを同定した。本手法ではマウスで選択的スプライシングを検出できなかったことから、マウスにはヒトやヒツジとは異なる配列にエクソン・エクソン・ジャンクションが存在する可能性が示唆された。平成22年度は新たな方策で異なるエクソン・エクソン・ジャンクションを認識するプライマーを設計すると共に、他のマウス細胞株や脳などの組織を対象とし、マウスに特異的な選択的スプライシングの検索を予定している。
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