2011 Fiscal Year Annual Research Report
局所薬物動態評価と局所薬物送達制御への新規微小透析技術の応用
Project/Area Number |
21590161
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒崎 勇二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90161786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博己 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60125151)
合葉 哲也 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00231754)
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Keywords | 薬物動態 / モニタリング / 局所 / 微小透析 / マイクロダイアリシス / 筋肉 / Lipo-MD / 血流 |
Research Abstract |
局所に限局した薬効発現(薬物療法の空間的制御)とあらかじめ企画された局所薬物濃度推移(薬物療法の時間的制御)を高度に科学的に保証するための研究基盤の構築を目的とし、組織局所(筋肉)から側方への薬物拡散および全身循環血流への消失動態の速度論的な解析評価系の構築を試み、本年度に下記の研究成果を得た。 (1)薬物送達部位局所から周辺部への薬物の拡散・移行・消失過程の速度論的解析: 実験動物(ラット)を用いて、体内動態特性や物性の異なるモデル薬物について薬物供給用プローブからの筋肉内の拡散・移行・消失動態を平行還流微小透析法により評価し、得られた位置・時間に関する濃度変化データについて速度論的モデルを構築し、数理的解析を行った。薬物ごとに局所送達時の限局性が異なり、局所血流や血漿タンパク結合など、生体側因子の関与が示唆された。 (2)局所動態制御因子としての局所血流の寄与の解析と送達部位限局性の評価: 局所冷却により、一定の局所血流速度低下状況を実験的に創出し、薬物の局所動態に及ぼす血流の影響について検討を加え、局所血流速度低下が薬物の限局性に及ぼす影響について検討した。局所血流速度低下により局所送達時の送達部位近傍の局所利用率が著しく増大し、限局性が改善されることを明らかとした。本研究成果は、臨床での局所冷却下薬物療法の有用性を示唆する。 (3)脂肪乳剤灌流微小透析法(リポMD法)による局所動態モニタ特性の評価: 比較的新油性の高いモデル薬物の局所動態評価に申請者が考案した新規微小透析技術である脂肪乳剤灌流微小透析法(リポMD法)を用い、局所薬物動態モニタに際しての追随性(時間遅れ)の改善について速度論的な解析評価を試みた。新油性の高い薬物の局所動態モニタにおけるリポMD法の有用性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)