2011 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品適正使用のための基盤:薬物代謝酵素間の機能的相互作用の分子種特異性と個体差
Project/Area Number |
21590164
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 祐次 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (90253468)
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Keywords | 薬物代謝 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / グルクロン酸抱合 / シトクロムP450 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
シトクロムP450 3A4(CYP3A4)とUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)との機能的相互作用について検討を行った。また、食事によって変動しうる環境因子と内因性調節因子によるUGT活性の変動についても検討した。これらによって下記の成果を得た。1)Baculovirus発現系を用いて、CYP3A4がUGT1A3機能に及ぼす影響について検討した。CYP3A4とUGT1A3を昆虫由来細胞に同時に発現させ、UGT1A3単独発現系と比較を行った。4-Methylumbelliferone (4-MU)に対する活性を指標に酵素反応速度論的解析を行ったところ、4-MUに対するKmは大きな影響は受けなかったが、Vmaxが有意に低下した。次に、4-MU濃度を固定して、UDP-グルクロン酸(UDPGA)濃度を変動させ酵素反応速度論的解析を行ったところ、CYP3A4共発現により、UGT1A3のUDPGAに対するKmが有意に低下することが分かった。2)CYP3A4とUGT2B7/1A9それぞれを、AcGFPおよびmCherryとの融合蛋白質としてCOS細胞に発現させたとき、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が観察されたことから、これらが生細胞内でタンパク質問相互作用することが示唆された。3)さらに、食事によって変動しうる環境因子と内因性調節因子によるUGT活性の変動についても検討した。野菜に高濃度で含まれるモノテルペノイドアルコール類により、ラットおよびヒトのモルヒネUGT活性が抑制されることを見出した。また、小胞体内腔に存在する内因性のATP等のアデニン関連化合物が、UGT活性の調節に関与していることが示唆された。
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Research Products
(9 results)