2011 Fiscal Year Annual Research Report
経口投与薬物の初回通過効果および薬物相互作用を予測するモデルの構築と検証
Project/Area Number |
21590174
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 智夫 北里大学, 薬学部, 教授 (30223168)
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Keywords | 経口投与 / 初回通過効果 / 薬物相互 / CYP3A4 / 定量的予測 |
Research Abstract |
ヒト小腸および肝ミクロソームを用いて、リトナビル及びエリスロマイシンによるCYP3Aに対する競合阻害パラメータ(Ki)値およびmechanism-based inhibitionによるCYP3A不活性化のパラメータ(K'app、kinact)値を算出した。また、Caco-2細胞を用いた輸送実験から、基質であるトリアゾラム、阻害薬であるリトナビルおよびエリスロマイシンの小腸上皮細胞内動態パラメータ(排出クリアランスなど)を得た。 一方、我々が構築してきたITAM(Intestinal transit, absolption and metabolism)に肝灌流モデルを連結することで、経口投与された薬物の血中薬物濃度推移、バイオアベイラビリティ(F)、小腸アベイラビリティ(Fg)および肝アベイラビリティ(Fh)を予測するモデルを構築した。構築されたモデルに基質(トリアゾラム)の代謝、小腸上皮細胞内動態および体内動態に関するパラメータ、さらに阻害薬(リトナビルおよびエリスロマイシン)の阻害、代謝、小腸上皮細胞内動態および体内動態に関するパラメータを代入して、トリアゾラム単独投与時、リトナビル併用時、およびエリスロマイシン併用時におけるトリアゾラムのAUCを算出した。その結果、トリアゾラムのAUCはリトナビル併用時に78倍に増大し、エリスロマイシン併用時に約1.4倍増大すると予測され、これらの値はヒトで報告されているAUC増加率(リトナビル併用時に約40倍、エリスロマイシン併用時に約2倍)と同程度または大きな値となった。
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