2010 Fiscal Year Annual Research Report
オーダーメイド医療を目指したヒトUDP-グルクロン酸転移酵素活性の検証
Project/Area Number |
21590185
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 敦子 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (80154970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都出 千里 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (20289036)
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Keywords | 質量分析 / UGT1A1 / 遺伝子変異 / 酵素活性 / LC/MS / 薬物代謝 / ビリルビン / 新生児 |
Research Abstract |
ビリルビンの抱合を行うUDP-glucuronosyltransferase A1(UGT1A1)は主に肝臓で発現しており,この酵素遺伝子の変異は遺伝性非抱合型高ビリルビン血症であるGilbert症候群,Crigler-Najjar症候群を引き起こす。このような背景のもと,遺伝性非抱合型高ビリルビン血症患者は変異タイプによって,ある種の薬剤投与による副作用を発現することが予想される。そこで,本症のような遺伝性疾患のモデルが確立されれば薬剤の副作用発現を予測することができると考えられる。さらに,副作用発現の程度が定量できれば,診断や治療に大きく役立つことが期待され,オーダーメイド医療を実施できると考えて研究を行った。 (1) 遺伝子UGT1A1酵素導入細胞を用いる酵素活性の比較:Cos-7細胞に新生児黄疸患者で認められたG71R、F83L、I322V、G493Rのミスセンス変異UGT1A1発現プラスミドを細胞内で発現させ,変異が酵素の活性に与える影響を調べた。抱合体測定法としてLTQ Orbitrap LC-Ms/Msシステムを用いる方法を新しく確立した。 (2) 安定UGT1A1酵素形質導入細胞系を用いた酵素活性の比較および薬剤使用による副作用発現の定量的分析:作成した発現プラスミドをCos-7細胞にトランスフェクションしたのち,抗生物質G418を用いて安定な発現細胞を作成した。樹立した安定形質発現させた細胞系がモデルとして応用可能であることを確認した。 (3) UGT1A1酵素タンパク質の活性化のメカニズムの解明:モデル細胞内で発現した酵素タンパク質の発現に関与する転写因子をMALDI TOF-MSを用いて測定し,UGT1A1酵素の活性化メカニズムの解明を試みたところ,複合体形成が大きな役割を持つことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)