2009 Fiscal Year Annual Research Report
非調和比を用いたヒトおよびマウス胎児骨格および臓器形態形成機構の解析
Project/Area Number |
21590194
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宇田川 潤 Shimane University, 医学部, 准教授 (10284027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
橋本 龍樹 島根大学, 医学部, 助教 (90252907)
松本 暁洋 島根大学, 医学部, 助教 (70346378)
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Keywords | 非調和比 / 骨格 / 臓器 / 形態形成 / 四肢 / 運動機能 |
Research Abstract |
ヒト胎児のMRI撮影像より、約30体の胎児について肝臓・肺・腎臓の臓器体積を計測し、形態形成機構の解析のための基礎データを得た。また、ヒト胎児骨染色標本およびマウス胚から成獣の下顎骨のマイクロCT画像から特徴的なランドマークの座標値を求め、下顎骨の形態変化をBending energyおよびプロクラステス距離により数理学的に解析したところ、ヒト胎児およびマウス胚において、下顎骨の形態変化の大きい時期が明らかとなった。これらの結果は、下顎骨の発生における非調和比の経時的な変化と、骨格や臓器の形態変化との関係を考察し、非調和比の有用性を評価するための基礎データとなる。 また、3つの連続した構造物のバランスが評価できる非調和比を拡張し、4つの連続した構造物のバランスが評価できる三重比を開発した。三重比をヒト上肢の発生における形態発生に応用したところ、バイオメカニクスで指標とする部位を座標点に選ぶと胎児期に一定となり、生後変化することが明らかとなった。そのため、三重比も非調和比と同様、上肢機能を表わす指標の一つとして応用可能であると考えられた。そこで、ヒトおよびその他の霊長類、および陸上の四足動物の四肢骨格の非調和比および三重比を比較したところ、遺伝的な系統よりむしろ生活形態、すなわち四肢の特異的な機能により違いが認められた。さらに、三重比は非調和比に比較し、これらの動物の四肢骨格を、その機能によって明確に区分していると考えられた。したがって、非調和比および三重比は、上下肢の運動機能の解析、および人間工学・ロボット工学に応用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(18 results)