2010 Fiscal Year Annual Research Report
非調和比を用いたヒトおよびマウス胎児骨格および臓器形態形成機構の解析
Project/Area Number |
21590194
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宇田川 潤 島根大学, 医学部, 准教授 (10284027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
橋本 龍樹 島根大学, 医学部, 助教 (90252907)
松本 暁洋 島根大学, 医学部, 助教 (70346378)
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Keywords | 非調和比 / 三重比 / 四肢 / 骨格 / 形態形成 / 等角変換 |
Research Abstract |
専用のプローブにより、通常では観察不可能な胎児膵臓などのMRI画像データを得た。 四肢骨格の発生に重要な分子であるFGF8に対し、金コロイド標識抗体を用いてホールマウント免疫染色を行い、マウス9.5日胚の上肢芽、尾部および後脳でのFGF8の発現分布をマイクロCTにて立体的に描出することが可能となった。 ヒトの胎生期の臓器発生について、多次元尺度法により観察したところ、発生第22週から24週では脳と肝臓、発生第22週から27週では肺と脾臓が類似の成長パターンをとることが判明した(Udagawa et al.Congenit Anom,2010)。また、多次元成長曲線の作成法を開発し、臓器の発生バランス異常を検出可能にした(Naito et al.Stat in Med,2010)。これらの解析法は、非調和比の経時的な変化を多臓器間で比較・解析するために必須の方法である。 昨年度開発した三重比を霊長類の示指から小指までの中手骨あるいは中足骨、および指節骨長に適用したところ、手足の構造により霊長類を樹上性・半樹上性・地上性に分類できた。樹上性の霊長類における低三重比は、ぶら下がりに適応した構造に対応していると考えられた。また、示指から小指までの三重比の変化のパターンがヒトと他の霊長類とで異なることから、三重比は把握動作の差異に対応した構造的差異を反映しているものと考えられた。三重比は等角変換の一つであるメビウス変換によって不変であることから、等角写像を用いて構造的差異と機能的差異との関連を解析することが可能と考えられた。
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Research Products
(16 results)