2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経系で特異な発現を示すRNAヘリカーゼの遺伝子改変動物を用いた分子形態学的解析
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21590198
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| Research Institution | Wakayama Medical University |
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Principal Investigator |
鶴尾 吉宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207449)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264875)
伊藤 隆雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30315931)
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| Keywords | RNAヘリカーゼ / 神経系 / 遺伝子改変動物 / 分子形態学 |
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| Research Abstract |
我々は、分化途中の未熟なオリゴデンドロサイトを抗原として作製したモノクローナル抗体のうちの1つが、特異的にオリゴデンドロサイトを認識することを確認した。そしてこの抗体によって認識される分子がRNAの機能調節に関与するRNAヘリカーゼであることを見出した。
RNAヘリカーゼはRNA結合タンパクの一種であり、ATPを加水分解して得たエネルギーによる一本鎖RNAの巻き戻しや、一本鎖RNAと他の分子との不適当な結合を取り除くなどの働きを示す。今回、我々が特定したRNAヘリカーゼは、3つの大きなスーパーファミリーと2つの小さなファミリーのうち、一番大きな群のスーパーファミリー2(SF2)に属するDEAD-boxタンパクであることを確認した。
本研究では、モノクローナル抗体によって特定された分子が、中枢神経系ではオリゴデンドロサイトに特異的に発現するDEAD-boxタンパクであるRNAヘリカーゼであることをふまえて、我々が特定したRNAヘリカーゼの生物学的機能をまず遺伝子改変動物を用いて形態学的に解析した。初年度の研究で、このDEAD-boxタンパクであるRNAヘリカーゼ遺伝子を組み込んだトランスジェニックラットを作製することができ、遺伝子改変ラットの系統を得た。そこで、このRNAヘリカーゼを強制発現させたラットのホモ型と野生型とを比較して、髄鞘形成に変化が見られるかを検討した。その結果、成熟動物において、ホモ型は野生型と比較して脳梁などの白質部分で髄鞘が過形成されていることが分かった。現在、発達経過と性による変化が見られるかどうかを検討しているところである。
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