2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590203
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村上 志津子 Juntendo University, 医学部, 助教 (20255649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 正人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80347210)
佐々木 光穂 順天堂大学, 医学部, 助教 (20432536)
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Keywords | GnRHニューロン / 軸索ガイダンス分子 / セマフォリン3A / ニューロピリン1 / ニワトリ胚 / コラーゲンゲル3次元培養 |
Research Abstract |
GnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)産生ニューロンは鼻プラコードで発生し脳へと移動する。いかにして最終目的地へとたどり着くのか、その分子メカニズムは明らかでない。本研究では、GnRHニューロンの移動過程における反発性の液性軸索ガイダンス分子セマフォリン3Aの役割の解明を目指す。本年度は、1) セマフォリン3Aと受容体であるニューロピリン1の発現をin situ hybridizationと蛍光免疫組織化学染色の組み合わせを用いて調べ、セマフォリン3AはGnRHニューロンの移動経路に限局した発現を示し、移動中のGnRHニューロンの多くが受容体ニューロピリン1を共発現することがわかった。2) GnRHニューロン上のニューロピリン1の発現はGnRHニューロンの移動が終了する孵卵11.5日ではほとんど観察されなかった。これらの結果は、セマフォリン3AがGnRHニューロンの脳内移動に関与している可能性を示している。GnRHニューロンに対するセマフォリン3Aの反発活性を調べるために、7.5日胚の嗅神経とセマフォリン3A強制発現細胞塊とのコラーゲンゲル共培養実験を行った。その結果、3) 培養3日後において対照群と比べると、セマフォリン3A発現細胞塊との共培養では組織片から培地に移動したGnRHニューロンはほとんど見られず、突起伸長も抑制されていた。すなわち、移動中のGnRHニューロンはセマフォリン3Aに対して反発活性を有している。これらの結果は、嗅球原基およびGnRHニューロンの腹側方向への移動が生じる分岐点である中隔背側部にそれぞれ局所的に発現するセマフォリン3AはGnRHニューロンの脳内移動に対し反発性に作用し、移動方向の制御に関与している可能性を示唆している。
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