2009 Fiscal Year Annual Research Report
光依存的なcAMPの時間空間的制御による神経突起形成の試験管内高解像度解析
Project/Area Number |
21590211
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 明宏 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 准教授 (80322080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
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Keywords | 神経突起伸展 / cAMP / 細胞内シグナル伝達 / アデニル酸シクラーゼ / 光活性化 / 光活性化アデニル酸シクラーゼ / PAC / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
哺乳類の神経系発生時の、神経細胞が神経突起の萌芽、神経成長円錐の形成、神経突起の伸展などのステップにおける外界環境からの刺激とそれに応答した神経細胞内の分子応答カスケードのうち、本研究においてはcAMP依存的な制御システムに焦点を絞り、鞭毛藻類由来で特定の光によって活性化されるアデニル酸シクラーゼ(PAC)を利用することにより、ACの活性を光の照射・遮断によってON/OFFしてcAMPの濃度を変化させ、神経細胞の挙動や形態的変化を観察して、cAMP依存性の制御システムの上記のような発生ステップにおける機能発現のメカニズムの詳細を、時空間的に高い解像度を持って解析することを目的としている。 まず、PACの遺伝子導入発現ベクターを構築した。プロモーターにはCMVを用いて、IRESを挟んで下流に遺伝子導入細胞が直接同定できるように膜移行シグナルを付与した蛍光タンパク質のtomatoを連結させた。また、PACを免疫化学的に検出するために、PACにHAタグを付与し、かつ細胞膜移行シグナルを付与したPAC-HAmを使用した発現ベクターも同時に作成した。これらの発現ベクターをHEK293細胞に導入して、光照射による細胞内cAMP濃度の上昇を、抗cAMP抗体を用いたELISA法によって確認した。現在、これらの発現ベクターをPC12細胞に導入して、突起萌芽や伸長性の光制御を試みている。 一方で、マウス胎児の海馬由来の神経細胞初代培養系を立ち上げた。この初代培養神経細胞に効率良く外来遺伝子を導入する方法を探り、現在のところインビトロジェン社のNeonエレクトロポレーションシステムによる方法で良好の結果を得ており、今後、PAC遺伝子の導入と解析を進める予定である。
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Research Products
(3 results)