2009 Fiscal Year Annual Research Report
羊膜幹細胞移植後の疾患モデルにおける組織形態学的変化
Project/Area Number |
21590212
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 淑子 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (00171421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 敏雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
岡部 素典 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (60283066)
小池 千加 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10523889)
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Keywords | ヒト羊膜細胞 / 羊膜上皮細胞 / 羊膜間葉系細胞 / Oct3 / 4 / Nanog / 羊膜幹細胞 / 脊髄損傷モデル / ラット |
Research Abstract |
本研究では、 (1)羊膜に存在する幹細胞を濃縮あるいは増幅する方法を確立すること (2)羊膜幹細胞の多分化能を疾患の治療に利用するために、病態モデルを用いて、羊膜細胞の効果を明確にすることを目的としている。 ・羊膜幹細胞の濃縮(増幅) ヒト羊膜細胞(ヒト羊膜上皮細胞:hAEおよびヒト羊膜間葉系細胞;hAM)から羊膜幹細胞を多量に採取する方法および幹細胞の特性を持った細胞を増殖する方法を検討した。フローサイトメーターやmagnetic activated cell sortingを利用した細胞表面マーカーによる選択と培養方法による選択により、外来遺伝子を組み込まなくても増殖能、多分化能を維持する羊膜幹細胞を採集することが可能となった。遺伝子の発現量をiPS細胞と比較したところ、SOX2という転写因子がiPSよりも高い値を示すこと、体性幹細胞の中で、移植などに有効であることが示唆されている骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)よりも、OCT3/4,KLF4,Nanogなどの転写因子の発現が極めて高く、発がん性を示さないことが確認された。今後、本細胞系をさらに効率よく樹立できる方法を検討する予定である。 ・疾患モデル動物を利用して 欠損した組織、機能を補填するために、多分化能を有する細胞を移植する方法が試みられている。しかし、移植する細胞をどの時期に、またどの段階まで分化させた状態で移植することが組織再構築の効果をもたらすのか明確にされていない。本年度は、脊髄損傷ラットを用いて、羊膜幹細胞の効果について検討した。 羊膜幹細胞を脊髄損傷発症後1週間という症状が亜急性期に移行する時期に分化誘導をかけないままに髄腔内に移植したにも関わらず、運動能が有意に回復し、組織学的にも軸索の空胞化の抑制、新たにな神経突起の再生が観察された。今後、これらの組織、関連分子の解析を進める。
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Research Products
(18 results)