2009 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型チロシンキナーゼを介した消化管間質細胞の発生分化
Project/Area Number |
21590213
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯野 哲 University of Fukui, 医学部, 准教授 (40242854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 和秀 福井大学, 医学部, 助教 (20377451)
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Keywords | 消化管 / カハール介在細胞 / c-Kit / 線維芽細胞 / PDGF受容体α / SK3 / 消化管神経 / 間質細胞 |
Research Abstract |
消化管筋層における機能調節を行う間質細胞としてカハール介在細胞と線維芽細胞が存在し、固有のネットワークを筋層内に構成している。これらの細胞の免疫化学的性質を明らかにする目的で研究を進めた。また、これらの細胞は胎生期に間葉系細胞から発生することが知られ、その発生分化が如何に行われるか、如何なる分子により司られるか研究を遂行した。 1.線維芽細胞が発現する分子を免疫組織化学法により解析し、PDGF受容体α、SK3カリウムチャネルが筋層内で特異的に発現し、また一部の細胞にCD34が発現していることを明らかにした(Iino et al.Histochem Cell Biol 2009, Arch Histol Cytol 2009)。また、両細胞が可溶性グアニレートシクラーゼを発現することを明らかにした(Iino et al.Neurogastroenterol.Motil.2009)。 2.カハール介在細胞の発生にはc-Kitが必須であることが知られるが、c-Kit遺伝子プロモーターに変異を持つWshミュータントマウスを解析し、c-Kit発現が見られないにもかかわらず、カハール介在細胞の一群ICC-DMPが正常に発生分化していることをICC-DMPの特異マーカーであるNK1受容体発現と電子顕微鏡による超微形態解析から明らかにした(Iino et al.Neurosci Lett 2009)。 3.カハール介在細胞の発生に関与する分子を検索する目的で、正常マウスにおける出生前後の小腸筋層を試料としてDNAマイクロアレイ解析を行った。同じく、胎生期マウス中腸における遺伝子解析のため正常マウスとc-Kit変異W/Wマウスを比較するDNAマイクロアレイ解析を行った。これらに関しては今後、詳細な遺伝子発現変化を解析し、カハール介在細胞発生のおける意義について検討を進める予定である。
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