2010 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型チロシンキナーゼを介した消化管間質細胞の発生分化
Project/Area Number |
21590213
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯野 哲 福井大学, 医学部, 教授 (40242854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 和秀 福井大学, 医学部, 講師 (20377451)
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Keywords | 消化管 / カハール介在細胞 / c-Kit / 線維芽細胞 / PDGF受容体α / SK3 / 消化管神経 / 間質細胞 |
Research Abstract |
消化管筋層における機能調節を行う間質細胞としてカハール介在細胞と線維芽細胞が存在し、固有のネットワークを筋層内に構成している。これらの細胞の免疫化学的性質を明らかにする目的で研究を進めた。また、これらの細胞は胎生期に間葉系細胞から発生することが知られ、その発生分化が如何に行われるか、如何なる分子により司られるか研究を遂行した。 1. カハール介在細胞の発生にはc-Kitが必須であることが知られるが、c-Kit遺伝子プロモーターに変異を持つWshミュータントマウスを解析し、c-Kit発現が見られないにもかかわらず、カハール介在細胞の一群が正常に発生分化していることを明らかにした。昨年はマーカーとしてNKl受容体に対する抗体を用いたが、本年はカハール介在細胞由来の腫瘍GISTで発現の多い分子TMEM16a(anotacmin1)が正常カハール介在細胞のマーカーであることを確認した後、Wshミュータントマウスを解析した。結果、胃体部から幽門部ICC-MY、小腸ICC-DMP、結腸ICC-MYとICC-SMがc-Kit発現が無いにもかかわらず存在していることを明らかにした。同時にこれらの細胞を電子顕微鏡で確認した。 2. カハール介在細胞の発生に関与する分子を検索する目的で、胎生期マウス中腸における遺伝子解析のため正常マウスとc-Kit変異W/Wマウスを比較するDNAマイクロアレイ解析を行った。変異マウスで発現の減少していた遺伝子のうち、MSX2とTrkBの解析を進め、両分子が胎生期を通じて発現が少なく、カハール介在細胞の発生に関与していることが示唆された(BBRC,2010)。
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