2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590215
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 信子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70227578)
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Keywords | FABP / 表皮細胞 / リンパ節 / 胸腺 / リノール酸 |
Research Abstract |
FABP分子群は、リガンドである脂肪酸の脂肪酸代謝物の細胞内取り込み・輸送・代謝の調節などを介して様々な細胞機能に関わっていると考えられている。本年度の研究では、FABP遺伝子ノックアウトマウスおよび各種培養細胞への強制発現系を用いて、FABP分子群の細胞内シグナル伝達系の制御への関与とその機構、脂肪酸代謝物であるエイコサノイドの産生系への関与と活性の制御、に焦点を当てながら検証を加えた。その結果、(1)表皮型FABP分子が、マウス表皮細胞においてリノール酸の代謝制御を介して、早期分化過程に関与していることが判明した(Ogawa et al.,J Invest Dermatol 2011)。(2)脳型FABPが、末梢リンパ臓器の支持細胞であるFRCに局在し、リンパ球の成熟および活性化を制御している可能性を示した(Tokuda et al., Histochem Cell Biol 2010)。(3)表皮型および脂肪細胞型FABP分子が、マウス胸腺において胸腺細胞の分化に主要な役割をもつ胸腺ナース細胞に特異的に発現し、IL-7などの胸腺細胞分化制御において重要なサイトカインの分泌を制御していることを示した(投稿準備中)。以上の結果について、各種FABPがいかなる細胞内シグナル伝達機構を制御することで、細胞機能の発現を担っているのかについて、現在免疫沈降法やyeast two hybrid法などを用いながら検討を加えている。
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