2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガラニン様ペプチドの中枢神経系ー末梢臓器のクロストークの解明
Project/Area Number |
21590222
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
影山 晴秋 昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
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Keywords | トランスジェニックマウス / 自律神経 / ガラニン様ペプチド / 遠心性神経活動 / 求心性神経活動 / Cre-loxP / 機能形態学 / 末梢臓器 |
Research Abstract |
ガラニン様ペフチド(GALP)は視床下部弓状核で産生され、摂食調節やエネルギー消費に深くかかわっている神経ペプチドである。GALPは循環血液中にも存在していることから末梢臓器からの分泌が予測される。前年度はタモキシフェン誘導型Cre-loxPシステムによってGALP発現細胞特異的に緑色蛍光タンパク質を発現する遺伝子改変マウスの褐色脂肪組織および白色脂肪組織に緑色蛍光タンパク質を同定した。今年度は視床下部弓状核から緑色蛍光タンパク質を指標にしてGALPニューロンの単離を試みた。蛍光強度を増幅するために、軸索輸送を抑制し分泌物質を細胞体に貯留させる作用のあるコルヒチンをこの遺伝子改変マウスに投与した。タモキシフェンを5日間連続投与後、コルヒチンを投与し48時間後にPIPES-buffered saline中で視床下部を摘出し、プロテインキナーゼKおよびトリプシンで細胞体をひとつずつにした後、蛍光タンパク質の発光を指標に蛍光顕微鏡下でGALP産生ニューロンを単離している。しかしながら、電気生理学的な実験がおこなえるまでには至っていない。来年度は引き続きGALPニューロンの活性を電気生理学的に記録できるようにすることを目指す。またラットにおけるGALPの末梢神経に及ぼす作用を調べるために、下大静脈にカテーテルを留置し、GALPを静脈内投与した。交感神経副腎枝、交感神経腎臓肢、迷走神経胃枝を分離し、中枢側より遠心性神経活動を、末梢側より迷走神経の求心性神経活動を記録した。GALPの静脈内投与により、遠心性の交感神経腎臓枝と交感神経副腎枝の神経活動が促進した。一方、GALPは迷走神経胃枝の遠心性神経活動を抑制した。GALPは自律神経の出力調節に関与していることが示唆された。来年度は迷走神経を除神経し、末梢から中枢への自律神経系に対するGALPの影響を調べる予定である。
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Research Products
(8 results)