2011 Fiscal Year Annual Research Report
ガラニン様ペプチドの中枢神経系ー末梢臓器のクロストークの解明
Project/Area Number |
21590222
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
影山 晴秋 昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
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Keywords | 末梢神経 / ガラニン様ペプチド / 交感神経 / 迷走神経 |
Research Abstract |
ガラニン様ペプチド(GALP)は摂食調節とエネルギー代謝にかかわるペプチドである。視床下部弓状核のGALP含有ニューロンは他の摂食調節ペプチド含有ニューロンとニューロンネットワークを形成し、摂食調節およびエネルギー代謝調節を行っていると考えられている。しかしGALPは血中にも存在していることから、中枢神経系と末梢神経系で摂食・エネルギー代謝のクロストークをしている可能性がある。そこでGALPの末梢神経に及ぼす影響を検討した。麻酔下でラットの下大静脈からGALPを静脈内投与した。交感神経副腎枝、交感神経腎臓肢、迷走神経腹腔枝、迷走神経胃枝、迷走神経肝臓枝を分離し、中枢側より遠心性神経活動を、末梢側より迷走神経の求心性神経活動を記録した。さらに迷走神経胃枝および腹腔枝切断したときの交感神経副腎枝の遠心性神経活動も記録した。GALPの静脈内投与により、遠心性の交感神経腎臓枝と交感神経副腎枝の神経活動が促進した。一方、GALPは迷走神経胃枝の遠心性神経活動を仰制した。両側の迷走神経胃枝かつ腹腔枝の除神経はGALPによる交感神経副腎枝の遠心性神経活動に影響を及ぼさなかった。GALPは迷走神経胃枝と迷走神経肝臓枝の求心性神経活動を抑制したが、迷走神経腹腔枝の神経活動には影響を及ぼさなかった。末梢血中のGALPは求心性の迷走神経を介して中枢神経系へ情報を送り、視床下部機能を修飾し自律神経の出力調節に関与していることが示唆された。
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Research Products
(21 results)