2010 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉相互作用を制御するシグナル経路におけるSox13の役割
Project/Area Number |
21590224
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
長田 真一 日本医科大学, 医学部, 助教 (00244484)
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Keywords | 発生・分化 / シグナル伝達 / 発現制御 / 癌 |
Research Abstract |
本研究は、上皮間葉相互作用や幹細胞の研究モデルとして注目されている皮膚における転写因子Sox13の役割を、独自に作製したSox13変異マウスを用いて解析することを目的としている。 研究計画の「皮膚の発生、毛包形成過程におけるSox13の発現パターンを調べる」一環として、マウス皮膚におけるSox13の発現を、毛包形成が始まるE14.5から第1毛周期の終止期にあたる生後20日頃まで、Sox13変異マウスを用いてX-gal染色により詳しく解析した。その結果、Sox13は、当初考えていた毛球部よりも上方の、皮膚の幹細胞が存在すると考えられているバルジ部、あるいは、そのさらに上部の部分に発現していることが明らかになった。バルジ上方の領域にはLgr6が発現しているが、Lgr6陽性細胞は、皮膚の毛包、脂腺、表皮全ての細胞系譜の幹細胞になりうることが報告され、最近、バルジ上方の領域への注目が高まっている。現在、Sox13の発現領域をより厳密に特定すべく、種々の幹細胞マーカーや分化、増殖マーカーの発現部位とSox13の発現部位を比較し、幹細胞との関連を調べているところである。 研究計画の「基底細胞癌(BCC)におけるSox13の発現の検討」については、BCCの充実型、表在型、嚢腫型、腺腫型、モルフェア型、Pinkus型など、種々の病理組織型を集め、Sox13の発現をSox9,Patchedの発現と比較検討している途中である。
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Research Products
(3 results)