2009 Fiscal Year Annual Research Report
受精卵CaオシレーションにおけるCa流入とCa遊離の機能共役機構の解明
Project/Area Number |
21590229
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白川 英樹 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (40241070)
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Keywords | 細胞生理学 / 発生・分化 / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
哺乳類受精卵でのCa^<2+>オシレーションの維持に必要なCa^<2+>流入経路の制御機構の解明を目的として、Ca^<2+>流入チャネルとしてTRPとOraiタンパク、それらの調節因子としてSTIMに注目し、以下の実験を行った。 (1)マウス卵でのTRPC、STIM、Oraiの発現確認 マウス未成熟卵からのcell-direct RT-PCRにより、TRPC1-C7、STIM1とSTIM2、およびOrail-3のすべてのサブタイプのmRNAが存在していることを確認した。また特異的な抗体を用いたWesternプロットによるSTIMとOraiタンパク質の発現の検出を試みているが、現在までのところ確認には至っていない。 (2)STIM/Oraiタンパクの強制発現の効果 STIMとOraiの各サプタイプのcDNAをクローニングし、それらを用いて野生型および種々の変異型のタンパクをマウス卵に強制発現させた。野生型のSTIMとOraiタンパクはそれぞれ卵の小胞体と細胞膜に発現した。静止時の卵細胞内Ca^<2+>濃度に及ぼす効果を検証したところ、STIM/Oraiのサプタイプを単独で発現させた卵、およびそれらを共発現させた卵のいずれにおいても有意な静止時のCa^<2+>濃度変化は観られなかった。 (3)TRPCタンパクの強制発現の効果 TRPC1またはTRPC4タンパクを強制発現させた卵では、静止時の細胞内Ca^<2+>濃度に変化はなかったものの、PLCζによって誘発したCa^<2+>オシレーションの頻度が増加する傾向がみられた。これによりマウス卵のCa^<2+>オシレーション時にTRPCを介したCa^<2+>流入が活性化されている可能性を示唆された。
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Research Products
(5 results)