2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写伸長因子Elongin Aの発生・神経分化における役割の解明
Project/Area Number |
21590233
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安川 孝史 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 助教 (60291936)
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Keywords | 転写伸長因子 / 発生 / 分化 |
Research Abstract |
Elongin Aホモ欠失マウスは、胎生10.5日頃に致死となり、神経系は、神経層が薄く中枢神系の低形成が見られたので、より詳細に神経系形成の様子を解析するために、胚の免疫組織学的解析を行うことにした。最初に野生型マウスの胎生10.5日胚を用いて、ホールマウントによる免疫染色の条件検討を行った。当初、ニューロンの検出に抗β-IIIチューブリン抗体を用いたが、検出が困難であったため抗ニューロフィラメント抗体を用いて検討中である。また、Elongin Aホモ欠失ES細胞は、レチノイン酸による神経への分化誘導を行ったところ野生型に比べて著しく分化能を欠いていたので、Elongin Aホモ欠失ES細胞ヘコントロールベクターとElongin A発現ベクターをそれぞれ導入し、神経への分化誘導を行い免疫組織学的解析により比較を行ったところ、Elongin A発現ベクターの導入により神経細胞への分化能の回復が認められた。さらに野生型とホモ欠失細胞を用いてRT-PCRによりレチノイン酸誘導後の神経分化関連遺伝子の発現の比較を行った。野生型に比べてホモ欠失型ES細胞由来の胚様体で早い時期にNanogだけでなくOct-3の発現低下が認められた。さらに解析を進めようとした矢先に、ES細胞の保存タンクが破損し細胞のストックが全滅するというアクシデントに見舞われたため、解析の中断を余儀なくされた。現在、鋭意Elongin Aホモ欠失ES細胞の作製中である。最近、Elongin AのE3活性に必要なドメインと転写伸長に必要なドメインの境界が明らかにしつつあるので、それぞれの欠失変異体を導入して神経分化にどちらの機能が必要なのか解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)