2010 Fiscal Year Annual Research Report
小腸ナトリウム依存性糖吸収におけるタイト結合の陽イオン選択性の意義
Project/Area Number |
21590236
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 裕一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50091707)
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Keywords | タイト結合 / 小腸 / グルコース吸収 / クロージン / カリウム / ナトリウムホメオスターシス |
Research Abstract |
小腸におけるグルコース吸収におけるタイト結合透過性の役割を明らかにする目的で、ワイルドマウスとクロージン15欠損マウスに糖質として主にグルコースを含む餌を摂食させた。摂食開始3時間後に開腹し、小腸を口側から回腸末端まで順に1-6の部位に分け、部位ごとに内容物を回収し解析した。腸管内グルコース量に関しては、ワイルドでは小腸に沿って急速に低下し、3/6部位以下ではほとんど無視できる量になっているのに対し、クロージン15欠損マウスではグルコース量の低下は緩慢で、回腸末端でもある程度のグルコースが存在し、グルコース吸収の低下が示唆された。非吸収性マーカーのPEG(14-Cで標識)より求めた内容物の腸管移動速度は、(小腸口側半分は)クロージン15欠損マウスの方がワイルドマウスより遅かったことから、グルコース吸収の低下は移動速度が速いためではないと考えられた。内容物のNa濃度を見ると、ワイルドでは60~80mMで小腸部位差はなかったが、クロージン15欠損マウスでは1/6の部位で18mMであったが、それ以下の部位ではさらに低濃度(5~10mM)になっていた。以上から、クロージン15欠損マウスにおいて小腸前半部でのグルコース吸収は実際低下しており、その主な原因は腸管内のNa濃度の低下によると考えられた。クロージン15により影響を受けるタイト結合を介したNaの管腔内への流入が管腔内Na濃度の維持に関わり、ひいてはグルコース吸収(およびその他のNa依存性の栄養素吸収)に大きな役割を果たしていることがさらに確認された。
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Research Products
(1 results)