2011 Fiscal Year Annual Research Report
心血管Ca2+流入チャネルTRPC6蛋白質の活性化モード制御機構の解明
Project/Area Number |
21590246
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 隆司 福岡大学, 医学部, 教授 (30232573)
|
Keywords | Ca^<2+>チャネル / TRP蛋白質 / 受容体刺激 / リン酸化 / 活性化モード |
Research Abstract |
N端と細胞骨格との相互作用はTRPC6チャネルの受容体刺激・機械刺激応答に必須であり、これを脂質メディエーターが修飾しているという実験事実を踏まえ、以下の研究を遂行した。(1)TRPC6-N端のみ発現する停止コドンを導入した変異体、及びN端のアンキリン様リピート(ANK1、ANK2)の欠失変異体を作成して、受容体刺激や機械刺激に対する応答を調べたところ、N端のみの発現によってドミナントネガティブ的な抑制がみられた。また、ANK2の欠失によって、受容体反応・機械刺激応答が共に強く抑制された。前者の実験では、膜への蛋白質発現が強く阻害されたが、後者では殆ど変化がなかった。以上より、N端遠位側のアンキリンリピートはTRPC6チャネルと機械刺激伝達経路との機能的な相互作用に必須であり、それ以外のN端領域がチャネル蛋白質の膜発現に必須であることが示唆された。(2)PKGでリン酸化されるN端69番目トレオニン(Thr69)をアラニンで置換すると(T69A)、細胞骨格アクチンとの相互作用が増強し、PKGのリン酸化を行っても影響を受けなくなった。また、Thr69をグルタミン酸を置換して(T69E)疑似的なリン酸化状態をつくるとアクチンとの相互作用が減少し、またPKG7)リン酸化による抑制効果が見られなくなった。更にyeast hybrid法を用いて、N端近位側(アンキリンリピートの近接領域)にあるロイシンジッパーモチーフを系統的に変異させると、TRPC6チャネルとPKG-1の相互作用が損なわれた。以上より、ANKに隣接した領域にPKG-1が繋留されており、そのT69リン酸化作用によって、TRPC6チャネルの受容体・機械刺激応答が負の制御をうけていること、それにはアクチンとの相互作用が重要であることが示唆された。
|
Research Products
(21 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Cilostazol Suppresses Angiotensin II-Induced Vasoconstriction via Protein Kinase A-Mediated Phosphorylation of the Transient Receptor Potential Canonical 6 Channel2011
Author(s)
Nishioka K, Nishida M, Ariyoshi M, Jian Z, Saiki S, Hirano M, Nakaya M, Sato Y, Kita S, Iwamoto T, Hirano K, Inoue R, Kurose H.
-
Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol
Volume: 31
Pages: 2278-2286
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Dual signaling pathways of arterial constriction by extracellular UTP in the rat2011
Author(s)
Megumi Sugihara, Hiromitsu Morita, Miho Matsuda, Hisanori Umebayashi, Shunichi Kajioka, Shinichi Ito, Motohiro Nishida, Ryosuke Inoue, Toshiko Futatsuki, Jun Yamazaki, Yasuo Mori, Ryuji Inoue, Yushi Ito, Kihachiro Abe, Masato Hirata
-
Journal Title
J Pharmacol.Sci.
Volume: 115(3)
Pages: 293-308
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-