2009 Fiscal Year Annual Research Report
オキシトシンレセプター発現調節とエストロジェン作用調節に関する研究
Project/Area Number |
21590253
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村田 拓也 University of Fukui, 医学部, 准教授 (70281186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 和巳 福井大学, 医学部, 助教 (80270958)
市丸 徹 福井大学, 医学部, 助教 (30452121)
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Keywords | オキシトシン / オキシトシンレセプター / エストロジェン / エストロジェンレセプター / ラット |
Research Abstract |
オキシトシンが種々の中枢作用を示すことが報告されているが、それらのメカニズムは未だ明らかにされていない。オキシトシン作用の調節には、オキシトシンレセプター(OTR)の発現が重要であり、エストロジェンはOTR発現に対して強力な刺激因子である。エストロジェンレセプター(ER)は、核内レセプターに加え、膜レセプターおよび核外レセプターの存在が報告されている。したがって、エストロジェン感受性、つまりこれらのER経路の解明が、OTR発現調節の解明に不可欠である。子宮は、OTR発現がエストロジェン作用を最も顕著に受ける組織である。今回、ラット子宮において、膜ERの一つと考えられているG protein-coupled receptor 30(GPR30)のmRNA量の変化について調べた。ラット性周期中の変化を調べたところ、血中17β-estradiolレベルが上昇する発情前期に、GPR30mRNA量は有意に減少した。次に、卵巣摘出ラットへの17β-estradiol(12.5μg/rat)投与により、GPR30mRNA量は有意に減少した。さらに、ERαアゴニストであるpropyl pyrazole triol(PPT ; 0.2mg/rat)およびERβのアゴニストであるdiarylpropiolnitrile(DPN ; 0.2mg/rat)を卵巣摘出ラットに投与し、それぞれのGPR30mRNA量への作用について調べた。その結果、PPTおよびDPN投与によりGPR30mRNA量はともに有意に減少したがPPT投与でより強い抑制作用が観察され、ラット子宮GPR30は主にERαを介してエストロジェンの調節を受けていることが示唆された。今回の結果は、OTR発現調節において数種類のERを介した複雑なエストロジェン作用の関与を示唆するとともに、そのメカニズム解析のための基礎的なデータとなるものである。
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Research Products
(1 results)