2009 Fiscal Year Annual Research Report
エストロジェン受容体とG蛋白共役型受容体の相互作用に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
21590254
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
有田 順 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80128587)
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Keywords | エストロジェン / エストロジェン受容体 / ドーパミン受容体 / ERE / プロラクチン産生細胞 / プロモクリプチン |
Research Abstract |
ドーパミン受容体(D2R)を介したbromocriptine(BC)のエストロジェン受容体(ER)転写活性化能に対する抑制作用の伝達経路を調べた。Ca ionophoreであるA23187を投与してもBCによる抑制は変化せず、Caイオンキレーター剤であるBAPTA-AMを投与してもエストロジェンによるER転写活性促進は阻害されなかったことから、細胞内Caの変化はBCの抑制作用には関与しないことが示唆された。次に、protein kinase C inhibitorであるcalphostin Cを、またMAPK inhibitorであるU0126、あるいはPI3 kinase inhibitorであるLY294002を投与しても、エストロジェンによるER転写活性促進は抑制されなかったことから、protein kinase C、PI3 kinase及びMAPKも関与しないことが示唆された。次に、glycogen synthase kinase 3(GSK3)をSB216763投与によって阻害するとエストロジェンによるER転写活性促進が抑制されたことから、GSK3はER転写活性調節に促進的役割を果たすことが考えられた。GSK3を活性化する上流protein kinaseであるAktの活性化をリン酸化認識抗体を使ったWestern blottingで調べると、エストロジェンによってリン酸化Aktが増加するが、BC投与によって変化しないことが明らかとなった。これらの結果より、AktおよびGSK3の抑制経路への関与の可能性は低いことが示唆された一方ERE非依存性のER転写活性化能についても、BCによる抑制性作用が認められるかを調べるため、AP1結合配列を含むプロモーター活性のレポーターアッセイを行ったが、エストロジェン反応性の活性上昇は認めらず、一方、BCはAP1プロモーターの基礎活性に対しては抑制効果を及ぼした。
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