2011 Fiscal Year Annual Research Report
エストロジェン受容体とG蛋白共役型受容体の相互作用に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
21590254
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
有田 順 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80128587)
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Keywords | エストロジェン / エストロジェン受容体 / ドーパミン受容体 / ERE / プロラクチン産生細胞 / ブロモクリプチン |
Research Abstract |
本研究の目的は、エストロジェン受容体(ER)の転写活性化能に対する、G蛋白共役型受容体であるドーパミン受容体の抑制作用の分子機構を解明することにある。 本年度は、第一に、ドーパミン受容体刺激剤であるbromocriptine(BC)による抑制現象がラットプロラクチン産生細胞における内因性エストロジェン感受性遺伝子の発現に関しても同様に見られるか否かを調べた。Percoll法によってプロラクチン産生細胞を濃縮した初代培養細胞集団にvehicle, estradiol,あるいはestradiol+BC投与を行い、これら細胞の遺伝子発現をquantitative real time PCR法によって定量した。BCはestradiolによって増加するWnt4,Gal,Tgfa,Vip遺伝子の発現を抑制した。BCは逆にestradiolによって増加するOxtr,Ckb,S100g遺伝子の発現を促進した。 第二に、エストロジェンによるERを介した転写活性化に重要と考えられるER Ser118のリン酸化の変化によってBCがERの転写活性化を抑制する可能性を調べた。vehicle, estradiol,あるいはestradiol+BCの投与を受けた下垂体細胞から蛋白を抽出し、ER Ser118のリン酸化を特異的に検出する抗体を用いてWesternblotting法によってリン酸化の程度を定量した。その結果、BC投与は細胞内のER含量およびER Ser118のリン酸化レベルに影響を与えない事が明らかとなった。ドーパミンによるER活性化能の抑制は、ER蛋白の分解やリン酸化機構の抑制によるものではないことが示唆された。
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Research Products
(4 results)