2009 Fiscal Year Annual Research Report
終板器官周囲のプロスタグランジンE2発熱機構を制御する神経伝達物質
Project/Area Number |
21590265
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
大坂 寿雅 National Institute of Health and Nutrition, 健康増進プログラム, 上級研究員 (30152101)
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Keywords | ノルアドレナリン / 非ふるえ熱産生 / 視床下部 / 酸素消費率 / 発熱 / プロスタグランジンE2 / 熱放散 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
視床下部視索前野の吻側端に存在する終板器官周囲部はプロスタグランジンE_2感受性の発熱誘起部位であることはよく知られている。この部位にはノルアドレナリン含有神経終末および一酸化窒素合成酵素含有細胞も存在している。そこで、この部位のノルアドレナリンおよび一酸化窒素が体温調節や発熱ににおよぼす影響をウレタン・クロラロース麻酔ラットを用いて調べた。ノルアドレナリンを局所注入すると熱放散の促進、熱産生の抑制、徐脈、低体温反応が起きた。これらの反応はα_1アドレナリン受容体を介しており、1-100pmolの範囲で用量依存性に大きくなった。また、プロスタグランジンE_2発熱はノルアドレナリン前投与によって大きく減弱した。一酸化窒素供与体であるニトロプルッシドナトリウムをこの部位に局所注入したときにも同様の低体温および解熱反応がおきた。一酸化窒素合成酵素阻害薬であるL-NMMAをこの部位に前投与しておくとノルアドレナリン注入に対する反応が阻止され、L-NMMAの異性体であり、一酸化窒素合成阻害活性のないD-NMMAを前投与した場合にはノルアドレナリンに対する反応に影響しなかった。これらの結果から、ノルアドレナリンは一酸化窒素合成酵素を活性化し、それによって放出された一酸化窒素を介して低体温および解熱反応を誘起する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)