• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

炎症性発癌におけるヒスタミンの役割および予防・治療への応用

Research Project

Project/Area Number 21590268
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

倉増 敦朗  山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90302091)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 助川 淳  東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30187687)
Keywordsヒスタミン / 炎症 / 発癌 / ヒスタミン受容体拮抗薬 / シメチジン / H2受容体
Research Abstract

多くの臓器において、癌は慢性炎症をベースに発症することが知られている。例えばヘリコバクターピロリによる慢性胃炎からの胃癌、ウイルス性肝炎による肝細胞癌、炎症性腸疾患からの大腸癌などである。一方で、生理活性物質であるヒスタミンは、炎症や癌の増悪因子であるという報告がある。本研究では、発癌性化学物質であるアゾキシメタンと大腸炎誘発物質であるデキストラン硫酸ナトリウムによる炎症性大腸がん発生モデルを用いて、ヒスタミン受容体拮抗薬の腫瘍発生・増殖に対する予防および治療効果を調べる。
平成22年度は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬である、シメチジンの炎症性発癌に対する効果を調べた。
5週齢のメスICRマウスに、まず発癌性化学物質アゾキシメタンを10mg/kg腹腔内投与した。1週間後、大腸炎誘発物質であるデキストラン硫酸ナトリウムを2%の濃度で5日間自由飲水させた。その後は実験期間を通して、水道水を飲水させた。実験開始10週間後から、H2拮抗薬シメチジンを5週間、一日一回0.12mg/kgを皮下投与した。対照群には生理食塩水を投与した。
生理食塩水投与群では腫瘍が個体あたり7.3+/-2.9個であったのに対し、ジメチジン投与群では5.3+/-0.7個であった。シメチジン投与群の方が個体あたりの腫瘍発生数がやや少なかったが、統計学的に有意な差は認められなかった。また、腫瘍の病理組織像はどちらの群も腺癌であり、差は認められなかった。
以上の結果から、H2受容体拮抗薬シメチジンは、炎症性大腸がんの発生に対して単独では効果がないといえる。

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi