2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590271
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
横尾 宏毅 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (30332894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕一 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50156361)
山本 誠士 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10456361)
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Keywords | 敗血症 / 酸化ストレス / PI3K-Akt / インスリンシグナル / スタチン / 核濃染色 / 核委縮 / リモデリング |
Research Abstract |
多菌性敗血症マウスモデル(CLPマウス)で、組織染色法を用いた解析を中心に、脳、肺、心臓の各組織に生じる変化を検討した。敗血症を代表とする全身性炎症時には意識混濁などの神経症状が生じているが、脳組織の形態学的変化についてはこれまで不明な点が多かった。CLPマウス脳組織でHE染色を行いその組織像を解析すると、大脳皮質および海馬の神経細胞を中心に、細胞核の濃染色、およびその委縮変形像を認めた。加えて、酸化ストレスの指標として反応性窒素酸化物による蛋白質チロシン残基ニトロ化を組織免疫染色法で解析すると、脳血管周囲にニトロチロシン陽性像を認めた。以上のことから、全身性炎症によるストレスを受けると、脳血液関門のバリア機構が障害され、かつ脳組織実質の神経細胞は有害物質による影響によりその機能が障害を受けることが示唆された。一方、肺組織においては、炎症軽減作用が知られているスタチン系薬剤を予め投与しておくと、組織損傷が軽減されることを認めた。その分子基盤を解析してみると、肺胞マクロファージが増加、加えてそのグルココルチコイド受容体発現が増加していた。心臓組織においても、スタチン系薬剤が炎症による組織リモデリングを改善する効果を認めた。スタチン系薬剤は、インスリンシグナル経路のPI3K-Aktシグナルを増強することが知られている。各組織のインスリンシグナルについては、時間経過に伴いそれぞれ変動していることを認めたが、この全身性炎症病態モデルとの関連については、未だ解析途上である。
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Research Products
(9 results)