2011 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス構成タンパク質のSUMO化ファルマコームの解明
Project/Area Number |
21590274
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西宗 敦史 福井大学, 医学部, 助教 (40311310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
宇和田 淳介 福井大学, 医学部, 助教 (70580314)
|
Keywords | SUMO化 / シナプス伝達 / 翻訳後修飾 / 神経伝達物質受容体 / 細胞内トラフィキング |
Research Abstract |
H23年度はSUMO化E2酵素Ubc9との結合を指標としてシナプスSUMO化基質の探索を行った。その結果、我々が以前に発見したGPCR sinteracting scaffold protein (GISP)が、Ubc9を結合していることが明らかとなった。 まず、ラット脳の細胞質画分から抗Ubc9抗体を用いて免疫沈降を行い、GISPの免疫共沈を検出し、実際に生体内でGISPとUbc9が結合していることを確認した。またGISP上のUbc9結合部位のマッピングを行ったところ、一次構造上不連続の3つの領域(1-102、320-445、654-800)にUbc9の結合が見られた。 これらの結果から、GISPが生体内でSUMO化修飾の基質となっている可能性が考えられた。また、これらの領域がそれぞれ独立したSUMO化部位となっている可能性を示唆している。そこで、まず上記の3つのUbc9結合領域を含む領域をそれぞれGST融合タンパクとして発現させ、実際にSUMO化を受けるか否かを解析した。3つの候補領域は全て実際にSUMO化を受けた。 初代培養海馬神経細胞はNMDA型グルタミン酸受容体の内因性コアゴニストのグリシンによる刺激でシナプス伝達を活発化させ、シナプス伝達の長期増強に類似の可塑的な活動上昇を引き起こすことができる(Chem-LTP)。本法を適用して刺激の前後でGISPとUbc9及びSUMO1の共局在を蛍光免疫染色法で解析したところ、GISPとSUMO1およびGISPとubc9のいずれの局在も上昇することが示された(Fig3)。以上から、GISPのSUMO化の少なくとも一部はNMDA受容体を介する興奮性シナプス伝達による調節を受けていることが示唆された。 以上の結果から、未だに不明な点が多く残されている神経タンパク質のSUMO化基質として、新たにGISPを同定でき、今後の受容体修飾機構の研究の基盤となる成果が得られた。
|
Research Products
(11 results)