2010 Fiscal Year Annual Research Report
L型カルシウムチャネル阻害薬の開口状態親和性の定量的解析と阻害薬作用のモデル化
Project/Area Number |
21590275
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 充彦 信州大学, 医学部, 教授 (10263237)
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Keywords | L型カルシウムチャネル / ジヒドロピリジン / 不活性化 / アロステリックモデル |
Research Abstract |
研究者らは、外向きK^+チャネルの障害で延長した心室筋細胞の活動電位をL型カルシウムチャネル(LTCC)阻害薬が効率的に短縮することを見出した。そして、LTCC阻害薬がLTCCの興奮収縮連関に対する作用を最低限に留めながら、活動電位短縮をきたすためには、LTCC阻害薬が活動電位中のLTCCの不活性化を促進することが重要であると考えた。 平成22年度の研究の目的は、LTCC阻害薬がLTCCの不活性化を加速する機序を明らかにすることである。 LTCCの膜電位依存性不活性化(VDI)には、速い成分と遅い成分が存在する。そこで研究者らは、ジヒドロピリジン系LTCC阻害薬ニフェジピンが、速いVDIを障害する変異を有するLTCC(LTCC(G436R))のVDIに与える効果を検討した。その結果、ニフェジピンはLTCC(G436R)の障害された速いVDIを復活させ、遅いVDIには影響を与えずに、VDIを加速することが分った。 次に、ニフェジピンが遅いVDIを障害するLTCC(LTCC(S4051,A752T,V1165T,I1475T))に対する効果を検討したが、HEK293細胞におけるこの変異体の発現が非常に悪く、現時点ではまだ信頼性のあるデータは得られていない。 したがって平成22年度の研究からは少なくとも、ニフェジピンはLTCCの速いVDIの背景にあるLTCCのconformation変化を促進することにより、LTCCのVDIを加速することが分った。
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Research Products
(12 results)