2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590280
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
仲田 義啓 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40133152)
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Keywords | サブスタンスP / TRPA1 / dorsal root ganglion (DRG) / p38 MAPK / 疼痛制御機構 / allyl isothiocyanate (AITC) / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
近年一次知覚神経においてtransient receptor potential ankyrin 1(TRPA1)は神経ペプチドのサブスタンスP(SP)と共発現することが報告されている.そのため,慢性炎症性疼痛の形成に,一次知覚神経細胞のTRPA1活性化によるSP遊離が重要な役割を果たす可能性が予想される.しかしながら,TRPA1活性化により一次知覚神経細胞からSPが遊離されるのかについての詳細は不明である.本研究ではTRPA1活性化によるSP遊離機構について一次知覚神経の細胞体が存在するdorsal root ganglion (DRG)初代培養細胞を用いて検討し,さらにマウスを用いてTRPA1刺激に対する疼痛及び炎症反応測定による詳細な検討を行うことによって,疼痛形成,ならびに炎症形成に及ぼすTRPA1の役割を明らかにすることを試みた. 三年間の本研究の成果により,一次知覚神経の末梢端のTRPA1活性化により細胞外のCa^<2+>流入およびp38 MAPKのリン酸化を介し,一次知覚神経の中枢,末梢端からSPが遊離されることが示唆された.SPは軸索輸送により一次知覚神経終末から末梢組織および脊髄後角に遊離され,遊離されたSPは末梢組織では,浮腫,さらにTRPV1過敏化を介した炎症性の熱性痛覚過敏を引き起こすことが示唆された.また脊髄後角に遊離されたSPは痛みの伝達,さらに熱性痛覚過敏の伝達の役割を担うことが示唆された.本研究によりTRPA1活性化を介した炎症性疼痛反応にはp38 MAPK活性化を介したSPの遊離が大きな要因となっていることが示唆された.
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Research Products
(4 results)