2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590291
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中木 敏夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30164148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 晃治 帝京大学, 医学部, 講師 (00420943)
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Keywords | 神経グルタチオン / GTRAP3-18 / EAAC1 / EAAT3 / システイン / 遺伝子改変マウス / 酸化ストレス抵抗性 |
Research Abstract |
GTRAP3-18遺伝子破壊マウスのまず形態学的評価を行った。HE染色による組織像では野生型と比較して変化は見られなかった。GTRAP3-18遺伝子破壊マウスは野生型マウスに見られる活発な探索行動が少なかった。しかし、ロタロッドに乗せると、野生型よりも運動量は増加していた。水迷路での空間記憶能力の促進との関連は不明であるが、探索行動の減少は単に運動機能自身の障害ではないことが考えられた。前年度に引き続きGTRAP3-18遺伝子破壊マウスの表現形の探索を行った。GTRAP3-18が結合するEAAC1タンパク質のウェスタンブロッティングを実施し、EAACIの膜発言量が野生型マウスに比較して増加していた。また、脳内アミノ酸のうちシステインのみが増加していた。脳内グルタチオンも増加していた。GTRAP3-18遺伝子破壊マウスおよび野生型マウスの脳を用いてスライスカルチャーを作成し、過酸化水素ストレスに対する抵抗性が増加していることを確認した。この性質はシステインの取り込み量の増加と関係していると思われた。システイン量の増加の原因がEAAC1の膜発現の増加によるものであるのかは本研究では追求していないが、神経細胞内へのシステインの取り込みがEAAC1に大きく依存しているというかこの研究結果を考慮すれば、その可能性が高いと考えられた。また、GTRAP3-18がEAAC1の細胞形質膜への移行を引き止めているという説があったが、本研究のGTRAP3-18を欠く細胞ではEAAC1の細胞形質膜発現の増加がみとめられたことにより、その説の正しいことが確認された。
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